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真壁華夜がその日・その時感じたことや考えたことの整理或いは備忘録的に使われることもあれば萌えメモとして使われることもあるし、日常の愚痴をこぼしていることもあるかと思います。基本的に偏屈な管理人sが綴っているのでその辺を許容できる人向け。反感買いそうなものは裏日記に書くようにしています。
2006/09/26 (Tue)
02:41:36
ネタバレじゃないのに注意が必要な日記ってどーよと思いつつ。
読みにくいので反転解除。あしからず!!
犬の習性――なのだろうか。
彼の愛犬もよく調教されてはいるが、稀に道端に落ちているものに興味を引かれくわえて主の元へと運んでくることがある。
他愛もないものがほとんどだが、今日は意外なものに目を引かれていた。
「――犬は犬…か」
ふと、珍しい経路の猫を拾った犬のことを思い出して苦笑する。
ひとつ、面白いことを思いついた。
【ガラスの靴がもたらすものは】
W・A関係が少し落ち着いているものの、昨今の殺伐とした事件の数々につい溜息が洩れた。
めずらしく早く帰り着いた家に電気を点け、そのままバスルームに直行して汗を流す。
買い置きの冷えた缶ビールを煽りながらぞんざいに夕飯を済ませると、葛西は居間のソファでBGM代わりに流していたTVをぼんやりと眺めながらいつの間にか眠りに落ちていた。
そうして、どのくらいの時間が経っただろうか。
ふと、玄関のチャイムが彼の睡眠を妨害する。気だるげに体を起こし、時間を確認すると小一時間ほど寝こけていたことがわかった。
チャイムは、少しの間をおいてまた、中に人がいることを確かめるように鳴る。
「ったく…人の邪魔しやがって……」
ぼやきながら仕方なく玄関に向かう。
そして見計らったようなタイミングで、何故か、玄関の扉は家の主がドアノブに手をかける前に、開いた。
「無用心だな」
不敵な笑みで、ストライプの高級そうなスーツに身を包んだ男はその低い声でこぼす。「合鍵が役に立たなくて残念だよ」
反射的、という言葉はこういうことを言うのだろう。
他人事のように思いながら、葛西は閉めた扉のドアノブを渾身の力で以て握り必死に引き支える。
(……まだ夢見てやがるのか? 俺は)
現実逃避。
そんな言葉が脳裏を過ぎるが気付かない振りをした。
この一瞬の気の緩みをつくように、ドアに隔てられた真田はドアを押し開き片足を玄関に侵入させた。
「住居不法侵入の現行犯で逮捕されてぇのかよ、お前は」
「それは御免被りたいな。貴方から職を奪うのは流石に気が引けるのでのね」
ドアを挟んでの必死の攻防。
切り札を一枚めくったのは真田の方だった。
「忘れ物を、届けに来たのだがね」
「忘れて困るものなんざお前の家に置いて来てねぇ!! そのまま持ち帰れ」
「遺失物横領で逮捕されるのはもっと御免被りたいのでね」
百戦錬磨のベテラン刑事より、実践経験の豊富なその道の人間の方が上手だったらしい。
フェイントをかけて葛西がドアを引く力が緩んだ隙を突いて、まんまと部屋の中に進入を果たした。
恐るるべきは、スーツに乱れ一つない点だ。
「困っていると思ってね」
そう言って差し出したのはガラスの靴。
かぼちゃの馬車で舞踏会に出掛け、24時の門限のために階段を駆け下りた偽りの令嬢が落としたアレを思わせる。
「…………」
「片方だけしかない靴というのも不便でしょう? 届けに来たんだが……」
もはや「帰れ」と罵倒する気力も削ぐ展開だった。
予想外。
その場に呆然と立ち尽くしている葛西は、この状況をなんとか自分の中で咀嚼し飲み込もうと努力するが現実的な刑事の脳内で処理できる範囲からいささかはずれていた様子。
「座ったらどうです?」
「あ? あぁ……」
つい流されて上がり框に腰を下ろした。
流れるような仕草でその前に膝を突くと、真田は無駄なく葛西の足に持参したガラスの靴を履かせる。
「やはり、ぴったりだね」
何でだ。
そうツッコミを入れる気力ももうない。
「知っているかい? ガラスの靴を落とした相手は拾ったガラスの靴を届けた相手とどうなるか」
知りたくもねぇ。
この先我が身に起こるであろうことを瞬時に理解し、いつものパターンに縺れ込まれることに盛大な溜息を吐いた葛西の耳には真田のその台詞は半分も届いていなかった。
「夜は、まだ、これからだ」
早く終わってくれ。
そう切実に願うが時間の速度は変わらない。体感速度はそんな希望とは裏腹に遅くなるばかり。
「――せっかくの時間を楽しみましょう」
諦めの境地に片足を踏み入れかけていた葛西の疲れきった顔に手を伸ばし、真田は気にも留めずそのまま唇を寄せる。
自分の家に帰ってもなお、心休まる時間に恵まれない。
憐れなるかなシンデレラ。
ガラスの靴がもたらすものは、幸福ばかりとは限らない。
事実は小説より奇なり。
物語のように幸福は運ばれてこないもの。
誰かにとっての至福の時間は今日も、誰かの犠牲の上に成り立っている。
――THE END――
★アトガキと言う名の詫状★
昨日参戦しためいさんのところのチャットで脱線して真葛でシンデレラ構想が浮上しまして。
らずさんからPUSHいただいたので書いてみました。
いかがでしょうらずさん。お気に召していただけたなら是非もらってやって下さい。
タイトルが無駄に長いです。
アークでも、道端に落ちてくる靴とか拾ってきちゃったりしたら面白いのにと思っての冒頭。
というか日記で真葛書いちゃう真壁も真壁ですよね……。
反転したので許して下さい。
読みにくいので反転解除。あしからず!!
犬の習性――なのだろうか。
彼の愛犬もよく調教されてはいるが、稀に道端に落ちているものに興味を引かれくわえて主の元へと運んでくることがある。
他愛もないものがほとんどだが、今日は意外なものに目を引かれていた。
「――犬は犬…か」
ふと、珍しい経路の猫を拾った犬のことを思い出して苦笑する。
ひとつ、面白いことを思いついた。
【ガラスの靴がもたらすものは】
W・A関係が少し落ち着いているものの、昨今の殺伐とした事件の数々につい溜息が洩れた。
めずらしく早く帰り着いた家に電気を点け、そのままバスルームに直行して汗を流す。
買い置きの冷えた缶ビールを煽りながらぞんざいに夕飯を済ませると、葛西は居間のソファでBGM代わりに流していたTVをぼんやりと眺めながらいつの間にか眠りに落ちていた。
そうして、どのくらいの時間が経っただろうか。
ふと、玄関のチャイムが彼の睡眠を妨害する。気だるげに体を起こし、時間を確認すると小一時間ほど寝こけていたことがわかった。
チャイムは、少しの間をおいてまた、中に人がいることを確かめるように鳴る。
「ったく…人の邪魔しやがって……」
ぼやきながら仕方なく玄関に向かう。
そして見計らったようなタイミングで、何故か、玄関の扉は家の主がドアノブに手をかける前に、開いた。
「無用心だな」
不敵な笑みで、ストライプの高級そうなスーツに身を包んだ男はその低い声でこぼす。「合鍵が役に立たなくて残念だよ」
反射的、という言葉はこういうことを言うのだろう。
他人事のように思いながら、葛西は閉めた扉のドアノブを渾身の力で以て握り必死に引き支える。
(……まだ夢見てやがるのか? 俺は)
現実逃避。
そんな言葉が脳裏を過ぎるが気付かない振りをした。
この一瞬の気の緩みをつくように、ドアに隔てられた真田はドアを押し開き片足を玄関に侵入させた。
「住居不法侵入の現行犯で逮捕されてぇのかよ、お前は」
「それは御免被りたいな。貴方から職を奪うのは流石に気が引けるのでのね」
ドアを挟んでの必死の攻防。
切り札を一枚めくったのは真田の方だった。
「忘れ物を、届けに来たのだがね」
「忘れて困るものなんざお前の家に置いて来てねぇ!! そのまま持ち帰れ」
「遺失物横領で逮捕されるのはもっと御免被りたいのでね」
百戦錬磨のベテラン刑事より、実践経験の豊富なその道の人間の方が上手だったらしい。
フェイントをかけて葛西がドアを引く力が緩んだ隙を突いて、まんまと部屋の中に進入を果たした。
恐るるべきは、スーツに乱れ一つない点だ。
「困っていると思ってね」
そう言って差し出したのはガラスの靴。
かぼちゃの馬車で舞踏会に出掛け、24時の門限のために階段を駆け下りた偽りの令嬢が落としたアレを思わせる。
「…………」
「片方だけしかない靴というのも不便でしょう? 届けに来たんだが……」
もはや「帰れ」と罵倒する気力も削ぐ展開だった。
予想外。
その場に呆然と立ち尽くしている葛西は、この状況をなんとか自分の中で咀嚼し飲み込もうと努力するが現実的な刑事の脳内で処理できる範囲からいささかはずれていた様子。
「座ったらどうです?」
「あ? あぁ……」
つい流されて上がり框に腰を下ろした。
流れるような仕草でその前に膝を突くと、真田は無駄なく葛西の足に持参したガラスの靴を履かせる。
「やはり、ぴったりだね」
何でだ。
そうツッコミを入れる気力ももうない。
「知っているかい? ガラスの靴を落とした相手は拾ったガラスの靴を届けた相手とどうなるか」
知りたくもねぇ。
この先我が身に起こるであろうことを瞬時に理解し、いつものパターンに縺れ込まれることに盛大な溜息を吐いた葛西の耳には真田のその台詞は半分も届いていなかった。
「夜は、まだ、これからだ」
早く終わってくれ。
そう切実に願うが時間の速度は変わらない。体感速度はそんな希望とは裏腹に遅くなるばかり。
「――せっかくの時間を楽しみましょう」
諦めの境地に片足を踏み入れかけていた葛西の疲れきった顔に手を伸ばし、真田は気にも留めずそのまま唇を寄せる。
自分の家に帰ってもなお、心休まる時間に恵まれない。
憐れなるかなシンデレラ。
ガラスの靴がもたらすものは、幸福ばかりとは限らない。
事実は小説より奇なり。
物語のように幸福は運ばれてこないもの。
誰かにとっての至福の時間は今日も、誰かの犠牲の上に成り立っている。
――THE END――
★アトガキと言う名の詫状★
昨日参戦しためいさんのところのチャットで脱線して真葛でシンデレラ構想が浮上しまして。
らずさんからPUSHいただいたので書いてみました。
いかがでしょうらずさん。お気に召していただけたなら是非もらってやって下さい。
タイトルが無駄に長いです。
アークでも、道端に落ちてくる靴とか拾ってきちゃったりしたら面白いのにと思っての冒頭。
というか日記で真葛書いちゃう真壁も真壁ですよね……。
反転したので許して下さい。
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