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真壁華夜がその日・その時感じたことや考えたことの整理或いは備忘録的に使われることもあれば萌えメモとして使われることもあるし、日常の愚痴をこぼしていることもあるかと思います。基本的に偏屈な管理人sが綴っているのでその辺を許容できる人向け。反感買いそうなものは裏日記に書くようにしています。
2009/05/22 (Fri)
23:49:39
●そんで4話。
ほんと…のってるときの執筆速度って露骨だぁよね(苦笑)
ほんと…のってるときの執筆速度って露骨だぁよね(苦笑)
-----------------------
[04]
-----------------------
逃げるように、保健管理室を後にしてしまった。
けれど、他にどうしようもない。説明することは出来ないのだから。
「巽…怒ってるよな」
帰ってきた自宅の、廊下。
壁に背を預けてそのままずるずると腰を下ろす。
怒ってくれるならまだ良い。
いや――そんなことを望むことさえ自分には許されない。
罪と、呼ぶに値する裏切り。
込み上げてくる罪悪感が息苦しさを齎す。
まだ鮮明な記憶が都筑を苛んだ。
憎んで。
恨んで。
蔑んで。
否定して。
それでも――拒み切れなかった。
邑輝だけが気付いた自分の闇。
きっと、自分だけが気付いた邑輝の傷。
解ってしまったから。
痛みが。
苦しみが。
罪が。
重なって、見えた。
脳裏を過ぎる記憶がまた新しい涙を溢れさせる。
「ごめん」
ごめんね、巽。
「ごめんなさい……」
本当のことが言えなくて。
せっかく和解出来たのに裏切ってしまって。
届かない懺悔を繰り返し呟く。
泣いてこの身が浄化できるなら枯れるまでずっと泣き続けるのに。
そんなのは多分に希望的な願望でしかない。
飲み込んだ感情が消化不良を起こす。
食事をした記憶もないのに吐き気が込み上げてきて、そのまま台所で何度か吐いた。
気持ち悪い。
気持ち悪い。
気持ち悪い。
もしかしたらなんて希望を抱こうとする狡さが。
邑輝の痛みに同調してしまう弱さが。
何よりも自分の存在が。
だから詰って。
そんなことを望む自分はやはり勝手だ。
責めて。
本当のことを話せもしないのに、そのことから全てをそうして欲しいと思う自分を。
蔑んで。
彼にはその資格がある。
断ち切って。
切り捨てて。
期待を捨て切れない自分を、冷たい目と言葉で断罪して。
「巽……」
縋るようにその名を口にすることもきっと罪だ。
苦しい。
ならこれは恐らく罰だ。
止まらない涙。
静まらない自己嫌悪。
自分を抱くように腕を回す。
優しい体温の記憶が不意に過ぎる。
「思い出すなッ!」
自分を叱咤して。
涙に掠れた声で同じ言葉を言い聞かせるように繰り返し紡いだ。
自己暗示にもならないと解っているのに気休めもいいところだと嘲笑している自分がいる。
そこへ。
ノック音。
「都筑さん、居るのは解ってますよ」
開けなさい。
「どうして」
「都筑さん」
怒った声。
「……帰れよ」
やっと搾り出した声が、ドア越しの巽に届くはずもなく。
「入りますよ」
鍵が開く。
そう――彼は、この部屋の合鍵を持っているのだ。
忘れてた。
自嘲がもれる。
「何だよ、急に」
「話があります」
「俺にはない」
「ないわけないでしょう? この二日、何があったのかちゃんと話して下さい」
「話すことなんかないよ」
「そんな見え透いた嘘を私が信じるとでも思ってるんですか?」
思ってなどいない。
けれど、それを願う以上のことが、出来ない。
「あぁ、一つだけあるか」
思い出す。
自分は――まずそれをしなければならないのだ。
「巽」
「……何です?」
覚悟を決める。
その言葉を、伝えなければならないのに。
唇が震える。
上手く、音を紡ぐことが出来ない。
「都筑さん?」
深呼吸をして。
いろんな感情を押し殺して。
「終わりにしよう」俺達。
巽の顔を見ることは出来なかった。
「別れよう」
「それは――それは何の冗談ですか?」
「冗談なんかじゃないさ」
「ならせめて理由を聞かせて下さい」
「そんなもの要らないだろ?」
「納得できません」
「できなくてもいいよ」
「いいわけないでしょう」
靴を脱いで家に上がる。
都筑のところまで歩み寄って、巽は、目線を合わせるように片膝を突いて身を屈めた。
怯えたように一瞬身を硬くした、都筑にそっと手を伸ばして、触れる。
「何があったのか、全て話して下さい。聞くまでは――例え今の言葉が貴方の本心だとしても私は受け入れられません」
「…………」
「その、襟元の鬱血痕が理由ですか?」
見られていた?
反応した都筑に、巽は淡々と言葉を重ねる。
「邑輝医師に遭ったんですね? その痕も…彼に刻まれたんですか?」
終わりだ。
望んでいたことじゃないか。
自分に、そうきつく言い聞かせる。
「お前には関係ないだろ」
「都筑さん」
「帰ってくれ」
「都筑さん……」
「帰れ!」
頑なに拒む都筑に、露骨な嫌悪を見せて巽は深い溜息をこぼす。
「そこまで言うなら今日は帰ります。――でも、これは仕事でもあるんです。それを忘れないで下さい」
「解ってるよ」
「さようなら」
その言葉は、冷たい棘のように心に刺さった。
別れを切り出したのは自分なのに。
決別を叩きつけるように、少し乱暴に玄関のドアが閉まる。
「終わりだな、これで」
自嘲の笑みとともに何故か、涙がまた溢れてきた。
to be continued......
[04]
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逃げるように、保健管理室を後にしてしまった。
けれど、他にどうしようもない。説明することは出来ないのだから。
「巽…怒ってるよな」
帰ってきた自宅の、廊下。
壁に背を預けてそのままずるずると腰を下ろす。
怒ってくれるならまだ良い。
いや――そんなことを望むことさえ自分には許されない。
罪と、呼ぶに値する裏切り。
込み上げてくる罪悪感が息苦しさを齎す。
まだ鮮明な記憶が都筑を苛んだ。
憎んで。
恨んで。
蔑んで。
否定して。
それでも――拒み切れなかった。
邑輝だけが気付いた自分の闇。
きっと、自分だけが気付いた邑輝の傷。
解ってしまったから。
痛みが。
苦しみが。
罪が。
重なって、見えた。
脳裏を過ぎる記憶がまた新しい涙を溢れさせる。
「ごめん」
ごめんね、巽。
「ごめんなさい……」
本当のことが言えなくて。
せっかく和解出来たのに裏切ってしまって。
届かない懺悔を繰り返し呟く。
泣いてこの身が浄化できるなら枯れるまでずっと泣き続けるのに。
そんなのは多分に希望的な願望でしかない。
飲み込んだ感情が消化不良を起こす。
食事をした記憶もないのに吐き気が込み上げてきて、そのまま台所で何度か吐いた。
気持ち悪い。
気持ち悪い。
気持ち悪い。
もしかしたらなんて希望を抱こうとする狡さが。
邑輝の痛みに同調してしまう弱さが。
何よりも自分の存在が。
だから詰って。
そんなことを望む自分はやはり勝手だ。
責めて。
本当のことを話せもしないのに、そのことから全てをそうして欲しいと思う自分を。
蔑んで。
彼にはその資格がある。
断ち切って。
切り捨てて。
期待を捨て切れない自分を、冷たい目と言葉で断罪して。
「巽……」
縋るようにその名を口にすることもきっと罪だ。
苦しい。
ならこれは恐らく罰だ。
止まらない涙。
静まらない自己嫌悪。
自分を抱くように腕を回す。
優しい体温の記憶が不意に過ぎる。
「思い出すなッ!」
自分を叱咤して。
涙に掠れた声で同じ言葉を言い聞かせるように繰り返し紡いだ。
自己暗示にもならないと解っているのに気休めもいいところだと嘲笑している自分がいる。
そこへ。
ノック音。
「都筑さん、居るのは解ってますよ」
開けなさい。
「どうして」
「都筑さん」
怒った声。
「……帰れよ」
やっと搾り出した声が、ドア越しの巽に届くはずもなく。
「入りますよ」
鍵が開く。
そう――彼は、この部屋の合鍵を持っているのだ。
忘れてた。
自嘲がもれる。
「何だよ、急に」
「話があります」
「俺にはない」
「ないわけないでしょう? この二日、何があったのかちゃんと話して下さい」
「話すことなんかないよ」
「そんな見え透いた嘘を私が信じるとでも思ってるんですか?」
思ってなどいない。
けれど、それを願う以上のことが、出来ない。
「あぁ、一つだけあるか」
思い出す。
自分は――まずそれをしなければならないのだ。
「巽」
「……何です?」
覚悟を決める。
その言葉を、伝えなければならないのに。
唇が震える。
上手く、音を紡ぐことが出来ない。
「都筑さん?」
深呼吸をして。
いろんな感情を押し殺して。
「終わりにしよう」俺達。
巽の顔を見ることは出来なかった。
「別れよう」
「それは――それは何の冗談ですか?」
「冗談なんかじゃないさ」
「ならせめて理由を聞かせて下さい」
「そんなもの要らないだろ?」
「納得できません」
「できなくてもいいよ」
「いいわけないでしょう」
靴を脱いで家に上がる。
都筑のところまで歩み寄って、巽は、目線を合わせるように片膝を突いて身を屈めた。
怯えたように一瞬身を硬くした、都筑にそっと手を伸ばして、触れる。
「何があったのか、全て話して下さい。聞くまでは――例え今の言葉が貴方の本心だとしても私は受け入れられません」
「…………」
「その、襟元の鬱血痕が理由ですか?」
見られていた?
反応した都筑に、巽は淡々と言葉を重ねる。
「邑輝医師に遭ったんですね? その痕も…彼に刻まれたんですか?」
終わりだ。
望んでいたことじゃないか。
自分に、そうきつく言い聞かせる。
「お前には関係ないだろ」
「都筑さん」
「帰ってくれ」
「都筑さん……」
「帰れ!」
頑なに拒む都筑に、露骨な嫌悪を見せて巽は深い溜息をこぼす。
「そこまで言うなら今日は帰ります。――でも、これは仕事でもあるんです。それを忘れないで下さい」
「解ってるよ」
「さようなら」
その言葉は、冷たい棘のように心に刺さった。
別れを切り出したのは自分なのに。
決別を叩きつけるように、少し乱暴に玄関のドアが閉まる。
「終わりだな、これで」
自嘲の笑みとともに何故か、涙がまた溢れてきた。
to be continued......
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